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フォルクスワーゲン自動運転    2006年清水和夫レポート

20071115

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そう言えば、SYEのメインレポーターである清水和夫は2006年春にフォルクスワーゲンの自動運転ゴルフに試乗?したことがありました。そのレポートをここに掲載しておきますので参考にしてください。

《清水和夫レポート》

 いままでどちらかというとドイツメーカーはハイテクに積極的ではなかった。日本メーカーが十数年前に電子制御を積極的に採用し始めた時、彼らは冷ややかに見つめていたものだ。ところが、最近は状況が変わりドイツメーカーも電子制御を積極的に採用するようになってきた。ところで機械的なメカニズムと電子的なコンピューターとの関係は、ロボットのようなメカトロニクス分野を見ても分かるように、時代のニーズでもある。高級時計の世界では圧倒的に電子時計が安いが、自動車の場合はコンピューターの数でコストが決まると言われている。しかし、事故を未然に防いだり、クルマの魅力や利便性をさらに進化させたり、燃費を大幅に削減したり、これからの自動車が背負う課題に応えるためには電子制御は欠かせない。

 今回訪れたののはドイツの古い歴史があるハノーバー近郊のVWのプルーピンググランドだ。VWグループ全体の先進技術を研究するR&Dセンターには各ブランドから選抜されたエンジニアが集まる研究所だ。
チェコのシュコダ社、スペインのセアト社から来たエンジニアもいる。そう、VWグループには現在、VW、アウディ、シュコダ、セアト、ベントレー、ブガッティ、ランボルギーニなど数多くのブランドが存在し、欧州各国の多様な文化を糾合させた一大帝国となっている。そしてその筆頭株主がポルシェというのも面白い。今回発表された先進技術はどれも興味深いが自動運転に関係するこのをレポートしよう。

 一昔前ではトランクから溢れ出てしまうほどのコンピューターを搭載しなければならなかった自動操縦だが、今ではノートPC程度の大きさで済む。その背景には自分の位置や速度を規定するGPSが大いに役に立っているわけだ。通常のカーナビで使うGPSよりもさらに精度が高い衛星=ガリレオを使い、数センチ単位の誤差で位置決めが可能なDGPS(ディファレンシャルGPS)を装備する。そこで実際に、パイロンで作った狭いコースをコンピューターとバトルすることになった。

 使用するクルマはDSG付きのゴルフGTIだ。フロントマスクの下側につけられたレーザー(光ビーム)で両サイドのパイロンを検知してコースを読む。これが人間の目の代わりだ。レーザーでコースを把握し、GPSで自分の位置を規定する。フロントバンパー下部にはドイツIBEO社製レーザースキャナーを装着。前方130度にわたってデータを収集する。

こうしたデータを元にエンジンやブレーキ、あるいはステアリングはすべてコンピューターで制御される。運転席に座ってみると、勝手にステアリングが動き、結構なスピードでパイロンコースを走りだす。一瞬恐怖を覚えるのは当然だ。だって、 透明人間がステアリングを握っているのだから。

 怖さを「ぐっ」とこらえて観察すると、そこそこの技量を持っている。狭いコースをアウト・イン・アウトのレーシングラインをトレースしているのには驚いた。ときたまタイヤのスキール音が発生するから限界の95%くらいまで攻めている。この領域まではタイヤの性能が線形領域なので、理論的にコーナーリング限界を計算できるわけだ。
 一周するとラップタイムは58秒。多くのジャーナリストが1分を切れないから、コンピューターのテクニックはプロに近い。早速私がステアリングを握る。パイロンさえなぎ倒さなければ勝てる自信はあるが、あまりにも狭くタイトなコーナーなので、オーバースピードは厳禁。だからといって慎重になりすぎると負けそう……。
 結果は、55秒台をたたき出してほっと胸をなで下ろした。容易に勝てる相手ではないことは間違いない。タイヤが滑り出す非線形領域では、まだ計算できないから、その領域まで使うドライビングテクニックであれば人間でも勝てる。しかし、人間はミスをおかしやすいから、オーバースピードとなってしまうことがある。コンピューターはミスを犯しにくいということが改めて理解できた。

関連ビデオ「2006 VOLKSWAGEN先端技術ワークショップ

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