Volkswagen エコドライブ「燃費はクルマ、環境(道路)、ドライバー!」



ドライバーによる燃費向上手法をおしえてくれる興味深いイベントがある。それが”VW ドライビング エクスペリエンス エコドライブトレーニング”。VWは本国ドイツで既に定期的に開催されている同イベントを日本流にアレンジして日本でも今年から本格的に開催をすると発表した。日本での開催ではVWとNPO法人mobility21が共同開催するこのイベントをSYEで取材させて頂いたので詳細な内容はぜひ動画で確認して頂きたいが、少しコメントにて紹介してみたい。
イベント内容は講習と実走行から構成されている。VWが用意しているテスト車両を使用してまずは各自普段の運転で設定されたコースを走る。これはテストコースではなく一般の道路で、取材時はお台場付近で約15分くらいのコース設定だった。そして燃費向上に関する講習を受けた後、清水和夫氏をチーフインストラクターする講師陣からの指導のもと、再び同じコースを走る。そして講習前後での燃費の違いを体験してもらおうというものである。
ほとんどの参加者が約20%の燃費向上を体験できていた。2回目の走行後には講習前後での運転パターンの違いをグラフと表を使ってインストラクターが説明してくれる。そのデータには、燃費だけでなくエンジン回転数や車速の履歴が記録されて自分の運転がまる裸にされた気分で少し恥ずかしいが、自分のクセがわかったりするので非常に興味深い。最近ではオンボードコンピュータで瞬間燃費が表示されるクルマも多いが、車速、エンジン回転数、ギア等がグラフで表されるのは理科の実験のような面白さがある。そして肝心の燃費向上が、数字で表れるのも嬉しい、特にg/kmという単位で表示されるCO2排出量の低下には、何か新鮮な気持ち良さが味わえる。
さて、テスト車両に用意されるのはゴルフGT TSI。昨年多くの話題をさらったこのクルマ、クルマ本来が持つ”走る楽しさ”と”燃費の良さ”を両立したとても魅力的なクルマだ。1.4Lという小さい排気量だが、スーパーチャージャーとターボチャージャの二つの過給器を装備し、十分すぎる低速トルクと高回転時まで気持ちのよいパワーを発生する。ダウンサイジングがもたらす燃費向上と直噴+過給器による走りの楽しさのキープというこれからのトレンドを先取りしたエンジンの力をタイアに伝えるミッションには、DSGというトルクコンバータを持たない最先端ミッションが搭載される。二つのクラッチを使い6速のギアを2軸に配置することで、ギアチェンジ時のトルクの切れがないスポーティな走りが楽しめる。そして伝達効率の点でもMTと変わらない事から燃費はMT同等だ。むしろ、ATモードでの変速スケジュールが優秀なこともあり、多くの場合はMTより燃費がよいかもしれない。
このように、走りと燃費を両立させたクルマで、燃費を意識した運転手法の講習を受け、その効果を実感できるというこのイベント、ぜひ機会があれば参加して頂きたいとお勧めしたい。ガソリン価格の高騰、高まる二酸化炭素削減要求と、クルマの燃費に関わる話題に事欠かない最近、今まで意識していなかったドライバーも燃費に関心をよせているのではないかと思う。
今までクルマの性能というと走りの性能が主役だったが、走りの楽しさと同じくらい、最適な燃費で走れる事の楽しさを実感してみて欲しい。サーキット走行での最速を目指すためには、タイアの使い方、エンジンの使い方、ギアの選択、等多くの理論に基づいた操作が必要となるが、燃費の最適化を目指すのも、同じくクルマの構造をよく知り運転するという事で同じ楽しみがある。
そして誤解して頂きたくないのが、このイベントでも強調していたように、燃費向上は決してゆっくり走る事ではない、という点。道路状況に応じた最適な走り方、速度を維持した上で燃費向上が可能だと言う事を実感できるのも貴重だ。これからはサーキットでは最速を、一般道では最適燃費を、意識してドライブしてみてはいかがだろう。
最後に同イベントが提唱するエコドライブ10か条を下記しておくのでご参考まで。
1.短距離走行は、なるべく避けよう
2.なるべく軽く!不要な荷物は積まないように
3.タイヤ空気圧を高めると、燃費に効果あり
4.ルートは事前に確認、カーナビなどで渋滞を予測
5.暖気は不要、エンジンをかけたらすぐにスタート
6.できるだけエンジン回転数を下げて走るのがコツ
7.交通の流れを読むことは、安全と燃費に効果的
8.適切なアイドリングストップも効果的
9.必要なとき以外はエアコンを切ってみよう
10.オイルやタイヤの交換時も、エコを意識 (リポート 長沼 要)

