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西村直人「SA&PAの障害者用駐車スペース」

20061002

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西村直人

「あのクルマにも体の不自由な人が乗っているのかな?」と私。
たった今、混雑する自動車用駐車スペースをくぐり抜け、駐車待ちをしていた私のクルマの脇を素通りしたクルマが、障害者用駐車スペースへと滑りこんでいったのです。
「きっと、トイレに行きたくて急いでいる人がいるんだよ」と、一緒に移動していた父親(障害者手帳保持者・右半身麻痺)が一言。
ただ、現実は違いました。開いたドアからは健康そうなカップルが降りてきたのです。ルームランプに照らされる車内を見ても、この2人以外は乗っていません。そう、彼らはただ混雑していたので、空いているこのスペースを狙ったのです。
一方の私たちは、なぜ駐車待ちをしていたのでしょうか? それは当日乗っていたクルマの構造にありました。乗降がラクになるよう助手席が回転するタイプだったからです。回転シートを機能させるには、助手席のドアを完全に開け放つ必要があります。左右の駐車スペースにしても、車幅(今回は5ナンバー車)に対して1.5mほどの余裕がないと隣のクルマにドアをぶつけてしまいます。さらにタイミングが悪く、3台ある横並びの障害者用駐車スペースには、すでに2台が駐車をしていて、また両車とも微妙にラインを超えて私たちが駐車しようとしていたスペースに食い込んでいました。
幸い、生理的欲求に持ちこたえる余裕(笑)があった私たちは、そのいずれかの車両が移動するまで待っていよう、となったわけです。
何もここで、待たされたことに苦言を呈しているわけではありません。はみ出した2台にしても、なんらかの理由(運転が不慣れ)があったかもしれませんから。
問題は、そのスペースを本当に必要としている人が健常者によって利用できないことにあります。
今、国交省で検討しているITS技術「スマートウェイ」のひとつに、この問題を是正するであろう機能が盛り込まれています。障害者手帳の認証コードをITSカード(ITS車載器に挿入。カード/器ともに仮称)に書き込み、コードの確認が取れてはじめて(バーが降りるなどして)障害者用の駐車スペースが利用できる、というものです。
これが実現し高速道路に導入されれば、とても有意義なものになるでしょう。それに今回のような“ヨコ入り”なんてこともなくなるはず(はみ出しはどうする?)です。
でも本心としては、技術で規制するのではなく、思いやりの心が生まれてくれればいいなぁ~、と思うわけですが‥‥‥。
それはともかくとして、ITSカードの実現に向けてひとつ提案があります。障害者の認証コードの書き込みに対して、事務的な手続きを緩和して頂きたい、ということです。ETCの障害者割引を利用するまでには、相当なハードルがあるからです。
病に倒れた父親が6年振りに走った高速道路。その父の一言にハッとさせられた瞬間でした。

profile_nishimura.jpg
西村直人氏 プロフィール

1972年1月東京生まれ
交通コメンテーター
クルマとバイク、異なる社会の架け橋となることが目標
得意分野は人間主体のITS
A.J.A.J会員
警視庁2輪指導員

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