西村直人「地デジとカーナビの共通項って?」



西村直人
愛用していた自宅のテレビが寿命を迎えたので、地上波デジタル放送対応型に買い替えました。じつに18年ぶり新しくしたテレビの容姿(なんと薄いこと!)にも驚きましたが、それ以上に感心したのがデータ放送です。
視聴者とテレビ局、双方向での情報交換が売りとのことですが、テレビ画面内に番組情報や天気予報、さらには時事ニュースなどが一堂に表示されるデータ放送画面には正直、ツイテイケマセン。マルチメディア化が進んだ現代を象徴するような機能なんでしょうが、情報の乱立に見ているこちらの頭が混乱してしまうこともしばしば。私のCPU、そろそろアップグレードしないと‥‥‥。
この状況、どこかで経験したような、と考えてみると‥‥‥。そう最新カーナビの画面でした! 迫り来る情報に溺れてしまいそうになった自分を思い出します。
液晶テレビやプラズマテレビが解像度や表示スピードを競うように、車内のナビモニターも高解像度化が進んでいます。きれいな画面になること自体は歓迎すべきことですが、高い解像度ゆえに、従来では判読することができなかった細かい文字や図形まで、きちんと表示できるようになりました。この結果、詳細な周辺情報やリアルな立体地図など、従来と同じモニタースペースから2倍から3倍の情報発信が可能になったのです。
見やすい画面を目指した家庭用テレビは大型化が進みましたが、設置場所に制約のある車内では、ナビモニターの大型化に対して物理的な限界があります。最新ナビのモニターをまるで圧縮陳列のようだと感じたのは、情報量に対してモニターサイズが小さいということに理由がありました。
運転中、画面に対して眼を向けることが許されている時間には限りがあります。状況にもよりますが、ほとんどの場合が一瞬でしょう。こうした場面で経路案内以上の情報を瞬時に判読するのは至難の業です。文字タイプやイラスト形状に工夫を凝らしていますが、一瞬で理解するにはよほどの動体視力(と高い理解力)が必要になります。一部、音声案内も実用化されていますが、人口音声のヒヤリングには慣れが必要ですし、発話のタイミングもナビメーカーによって違いがあります。せめて音声操作の指示言語だけでも、メーカー間で統一してほしいものです。
国交省のASVや警察庁のUTMSは、事故を減らすための情報発信源にナビモニターの利用を検討しています。05年度の国内カーナビゲーションシステムの総出荷台数は約336万台(前年比約113%)ですから、高い普及率を示すナビモニターの利用には私も賛成です。ただ、情報過多が発生しないよう活用方法に工夫を凝らすなどの対処法も必要だと考えます。様々な情報が一斉に表示されるということは、モニターを注視する原因にもなりかねません。
こうした状況を避けるため、警告音やステアリングを振動させるなど、モニター情報と組み合わせることも有効な手段でしょう。また、情報を抜粋しフロントウインドに転写するヘッドアップディスプレイ方式も検討の余地があるのではと考えます(つづく)。

西村直人氏 プロフィール
1972年1月東京生まれ
交通コメンテーター
クルマとバイク、異なる社会の架け橋となることが目標
得意分野は人間主体のITS
A.J.A.J会員
警視庁2輪指導員

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