河口まなぶ「最新ITS技術 -ナイト・ビジョン1-



河口まなぶ
最近の高級車では、夜間の視界確保をアシストしてくれる「ナイト・ヴィジョン」とか「ナイト・ ビュー・アシスト」と呼ばれる装置を搭載したクルマが登場しはじめている。
これらのシステムは車両前方に取り付けた赤外線カメラによって、夜間の視界を確保する仕組みを持つ。例えば街灯のない道路でも、このシステムを使えばヘッドランプの光が届かない遥か彼方にある障害物を映し出すことができる。夜間走行を考えると、実に有効なシステム。実際に僕も何度か試しているが、本当に驚くぐらいいろいろなものがよく見える。真っ暗な山道で使ったこともあるが、このシステムを使うとキの一本一本まで見えるほどなのだ。
ただしこのシステムはまだコスト的にも高いため、本当に一部のクルマにしか用いられていない。 代表的な車種で言うと、メルセデス・ベンツのSクラスやホンダ・レジェンドなどの高級車で、これらにオプションとして設定されている程度だ。
だが今後のITSを考えたとき、このシステムはかなり有効になると思える側面を持っている。特にホンダ・レジェンドに搭載されている「インテリジェント・ナイトビジョン」は、現時点では最も優れたシステムで、今後のITSへの貢献が期待できるものとなっている。
赤外線カメラを使って人の目には見えにくいものまでを鮮明に映し出す…という点では各社横並びなのだが、ホンダのインテリジェント・ナイトビジョンはさらにその先の機能を持っており、赤外線カメラを使って夜間の道を鮮明に映し出すだけではなく、そこにいる歩行者を検出・認知するという機能が与えられているのである。ここが他のものよりも優れた点である。
ホンダがこの技術を世に発表したのはトヨタやGMの後だったが、実は同じように赤外線カメラで鮮明な画像を映し出す技術は、トヨタやGMと同じようなタイミングで完成させていた。しかしホンダのエンジニアはこんな風に考えたという。
「単に画像を映し出すのではなく、そこにある危険を知らせなければこの技術を使う価値がないし、商品性もない」
そうした想いから研究を重ね、レジェンドに搭載したインテリジェント・ナイトビジョンが開発され たのだという。

河口まなぶ氏 プロフィール
モータージャーナリスト。ミニバンよりはスポーツカーをこよなく愛し続ける1970年生まれ。
自動車専門誌を始め、webやTV、ラジオなど多方面で「クルマは走って楽しく気持ちよくなければいけない」と叫び続けている。
■オフィシャルブログ:「kawaguchi@manablog」






