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河口まなぶ「最新ITS技術 -ナイト・ビジョン3-」

20070223

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河口まなぶ

 ホンダのインテリジェント・ナイト・ビジョンにおける歩行者検出アルゴリズムのユニークな点は、 「歩行者以外を検出」するロジックを用いて精度を高めている点である。つまり歩行者以外のモノを識別する精度を高めることで、巷に存在する様々なものの中から歩行者を検出し、浮かび上がらせるのである。

エンジニアいわく、「歩行者以外のものを歩行者だと誤認識しても問題はあまりないですが、逆に歩行者を歩行者以外のものだと誤認識してしまうのは予防安全システムとして大問題なわけです。そこからこのロジックを発想したのです」

 赤外線は熱を持つものを白く映し出す。しかしリアルワールドでは実に多くのものが映し出される。例えば前方を走る自動車のタイヤ、ブレーキ・ランプ、路肩にある自動販売機…様々なものが白く映し出される。それらをいかに歩行者ではないか、と判断するかがポイントであり、この精度を高めることが重要だと分かったのだという。

 こうしてエンジニアらは日本中を走り回って、道路環境にあって赤外線に映し出される「歩行者以外の白いもの」をひとつずつつぶしていった。

 そして歩行者以外を検出するロジックを高め、これを歩行者を検出するロジックにかけあわせ、さらに画像処理の識別ロジックを用いて歩行者検出アルゴリズムを完成させたのである。

 赤外線の映像で一番はっきりと見える人間の身体の部分は頭である。ホンダではこれをしっかりと認識できるようなアルゴリズムを作り上げた。

 とはいえ走行する車両の前方にいる歩行者の頭は、距離によって小さな円形でもあれば比較的大きな円形でもある。例えばそれは前車のブレーキ・ランプと間違いやすい。こうした誤認識をふせぐために、このアルゴリズムでは円形を検出すると、それに対して肩のシルエットがあるか否かを検出することで、歩行者か否かを判断するのである。

 しかしこれもやっかいで、例えば円形のブレーキ・ランプを備えた車両ではフェンダー部分などを肩と認識する可能性も持っている。こうした場合の誤認識を防ぐために、先の「歩行者以外を検出」するロジックの精度を高めたのだと言う。

 頭と肩の形状を探しにいくだけのロジックの場合、歩行者がとる様々な姿勢パターンに対して照合しなければならないが、これでは長い時間がかかって認識までに相当の時間を要する。例えばダイムラーなどは映し出されたものに対して何万枚の歩行者データを照合する方式を研究しているが、これも長い時間を要してしまう。

 そこでホンダでは映し出されたものに、歩行者のデータを当てはめて歩行者を探すのではなく、間違いなく歩行者以外というパターンをどんどん捨てるロジックを用いて、その上で歩行者検出へのパターンを当てはめていくことで検出率を挙げているのである。

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河口まなぶ氏 プロフィール

モータージャーナリスト。ミニバンよりはスポーツカーをこよなく愛し続ける1970年生まれ。
自動車専門誌を始め、webやTV、ラジオなど多方面で「クルマは走って楽しく気持ちよくなければいけない」と叫び続けている。

■オフィシャルブログ:「kawaguchi@manablog」

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