河口まなぶ「最新ITS技術 -ナイト・ビジョン4-」



河口まなぶ
ホンダのインテリジェント・ナイト・ビジョンは、夜間走行における視界をアシストするだけでなく、自車の走路にいる歩行者を検出・認知する機能が与えられている。
この歩行者検出の機能を、車両制御と融合することは技術的には比較的容易なはずだ。最近では車車間・路車間の通信を用いて、交差点で減速を行う試みも行われている。それに加えて車両 側においても、歩行者検出+車両のブレーキ制御を行えば、さらなる事故低減が図れると思える。
特に夜間の走行においては、視界の確保が困難になるため、例え住宅街を低速走行していてもヒヤリ/ハットを感じる場合がままある。そんな時に走路の遥か先にいる歩行者を、人間が認知するよりも先に認知してブレーキ制御を行えば、ドライバーにとっても歩行者にとっても安心できる環境が手に入るのではないかと思える。
もちろんこれは、既に市販車の一部で展開されている追突軽減ブレーキ機能において、どこまで自動ブレーキをかけるか? という問題と同じ悩みを抱えているのも事実である。
が、ナイト・ビジョンが歩行者を検出するという特性を考えれば追突軽減ブレーキ機能以上の、自動ブレーキ制御を導入しても良いと思えるのだが…。
もっともこの辺りの機能に関しては、当然のように各メーカーで研究がなされているはずである。さらにどこまで自動化するか…という問題に対して、自動車メーカーは完全停止までを確実に行える技術力を持っているのは明らか。後はそれを認可する側の問題でもある。
ただ自動車におけるある程度の「自動化」を考えた時、そこにはドライバーの操作をどこまで優先するか、または運転に付帯する自己責任をどこまで追求するかなど、悩ましい問題がいくつもある。そうした問題を考えると、一様に自動化を推し進めることもまた問題をはらんでいく。そう考えると、技術の進化と同時に、この辺りをしっかりと定めることもまた求められると思える。

河口まなぶ氏 プロフィール
モータージャーナリスト。ミニバンよりはスポーツカーをこよなく愛し続ける1970年生まれ。
自動車専門誌を始め、webやTV、ラジオなど多方面で「クルマは走って楽しく気持ちよくなければいけない」と叫び続けている。
■オフィシャルブログ:「kawaguchi@manablog」






