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清水和夫先端技術インタビュー  〜Volks Wagen 2007 IAA〜Vol.3

20080114

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2007年IAA(フランクフルトモーターショー)においてモータージャーナリスト清水和夫がフォルクスワーゲンの先進技術ディレクターのDr.Wolfgang Steigerにインタビューを行った。ディーゼル,ハイブリッドから新燃料、はたまた最新内燃機関の話まで,シリーズ連載中!
第3弾は<ドイツのバイオマス戦略とは>。


清水和夫(以下S):もうひとつお聞きします。北米やブラジルでバイオ燃料(エタノール)が進んでいますが、ヨーロッパの状況はいかがですか?スウェーデンのような積極的な取り組み例もありますが。

Dr.Wolfgang Steiger(以下VW):現在、エタノールはヨーロッパの燃料市場全体の1%に満たないくらいのささやかなものです。本当に微々たるもので、生産能力の増加にも時間がかかっています。ですから、本格的に市場に出回るのは遠い先の話ですね。そこで我々としてはむしろE10の戦略を推進していくつもりです。標準ガソリンに混入するエタノールを10%に近づける方法です。現在販売中のガソリンエンジンの製品はすべて植物性燃料10%混合に対応できるからです。エタノールを85%(E85)も混ぜるスウェーデンの場合は特殊です。政府があらゆる化石燃料を排除するために莫大な報奨金を出して手を尽くしていますが、その一端にE85があるわけです。ただ最近になって方針を変えて報奨金を減らしています。すでにE85のサービスステーションが充実してきたわけですが、すべての自動車にE85で代替させることは不可能であることを悟りました。スウェーデン政府は他に解決策を探し始めました。報奨金はますます減り、E85の販売量も減少していくのではないでしょうか。

S:ヨーロッパ本土のE85ステーションは限られていますよね。ドイツには2カ所か3カ所しかありません。

VW:今のところE85は期待できません。アメリカと状況が違います。アメリカではエタノール自体があって、今ではブラジル以上に生産しています。

S:結局ドイツではエタノール10%のE10を薦めるのですね。

VW:このE10%が普及したら、次の目標は当然E85ですね。アメリカでは85が広く市場に出回るのはそう遠くないでしょう。

S:ヨーロッパではもっと時間がかかるのですね?

VW:10年から15年かかると思います。

S:ではエタノールよりも他の方法はありますか?例えばBTL(Baio To Liuid )を進めるとか。

VW:現在は第一世代のエタノールが足りない状態です。時間をかけて第二世代を研究していきます。バイオマス燃料に関しては、まったく慌てる必要はありません。

S:具体的なシナリオは?

VW:主に二つの方法を考えています。ひとつはエタノール、ただしリグノセルロース由来のエタノールで、砂糖などの食料を原料としないものです。藁を主原料として精製します。もうひとつは一般的なBTL、バイオマスの液化ですが、これは熱化学的プロセスにより処理し、良質でむらのないディーゼル向け燃料となります。

S:ディーゼルとガソリンの両方のエンジンに使えるのですか?

VW:そうですね。ご指摘の通り、ガソリンにも対応できる合成過程を作り出すことは可能だと思います。合成プロセスにもよりますが。ヨーロッパではディーゼル燃料が不足しているので、いまのところはディーゼルに絞って開発しています。ガソリンは余っていますからね。残ったガソリンをただ(同然?)でアメリカに送っています。毎年何百万トンもです。それに比べてディーゼルは足りていません。原油輸入を減らしたければ、ディーゼルを中心に考えなければなりません。ガソリン消費を削減をしようとしても、原油輸入はディーゼル消費に関連しているため、減らすことはできません。
 
S:農業や政府のエネルギー管理政策、ライフサイクルの評価などにも関連してきますね。

VW:我々のすべての決定の根底にはライフサイクルの考え方があります。少なくともライフサイクルを分析する必要があります。特にバイオ燃料を考えるときは、あらゆる連鎖を見なければなりません。農業従事者からバイオマスの輸送、さらにバイオマスから燃料に変換する技術、あるいはガス化、商品化や供給に関する方法などですね。連鎖経路のひとつひとつを見ておかなければなりません。ですから我々は第二世代を推奨したいのです。第一世代では不十分で、環境維持の面でも問題があるのです。


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