ディーゼル×ドイツ=スポーツ 長沼要現地リポート第2弾!



フランクフルト空港から1時間もすると、ニュルの付近まで来られる。ナビの到着地までの距離をみるまでもなく、渋滞がサーキットに近いことを知らせてくれる。ところで驚くのはそのクルマの止め方。ニュル付近の道路は、路肩が大きく窪んでいて日本的に考えれば駐車スペースとは思えない。しかし、みなさん、なんの躊躇もなくクルマを止めている。これ出られるの?という止め方でサーキット付近の道路は両側が埋め尽くされている。多くのクルマが2輪駆動な事を考えるとほんとに感心(?)する。
もっとも翌日の夕方には跡形もなくきれいにクルマがなくなっていたので、問題なくでられたのだろう。実は、いろんなところで人力!で押し出す光景が見えてました。。。ヨーロッパへ来るといつも思わされるが、クルマが「生き生き」している。アウトバーンでは全力で走り、クルマが傾こうが、泥だらけになろうが「力の限り」動き、止めている。走行中につく傷や汚れが勲章に思え、かっこいい。それにひきかえ、能力のほんの一部しか使わず(使えず?)に、仕方なくつく微かな傷にも神経質になり、走行距離が延びることを嫌う、という、かの国の使い方をクルマ達はどう思っているのだろう。
さて、渋滞の終わりは案の定、サーキットへのメインゲートだ。近くに止められる場所をみつけ、プレス受付を探す。事前に登録していたし、だいたいの場所も聞いていたので、なんとかなるだろう。メインゲートへ来るまでの道からは、何度かコースが見えるところがあったので、いやがおうでも気持ちが高ぶり、足取りも軽くなる。
どうにかこうにかパスコントロールを抜け、パドックへ入る。中は大変。人人人、クルマクルマクルマ、テントテントテント、なんせ200台を越えるエントリー、ピットも4台以上ものチームが一つのピットを共有している。もう、どこにどのチームがいるかなど、わかりっこない。ただ熱気だけはハッキリと感じられる。ピットを端から端まで3往復はしただろうか、ようやくスバルチームの場所がわかった。すでに時間は20時頃。しかしまだ明るい。すこしレースは落ち着いてきたところといった感じ。私も少し落ち着き、レースに注目していく。注目しているのは、もちろんレクサス、スバル、日産、ホンダ、といった日本勢。その頃、レクサスはピットで修理を行っていたようで、コース上でみられたのはしばらくしてからだった。インプレッサは順調に周回を重ねている。ファルケンのZ33は、速いペースで周回していることが傍からもハッキリ分かる。そして、S2000、CIVIC typeRが多いのに嬉しくなる。
そして、これら日本車勢と共に注目しているのが、ディーゼル車。なんとBMWでは、120d, 320d, 335dと3車種(もちろん複数台数)もリストに上がっているし、ゴルフTDIも数多く走っている。ディーゼル車は燃費がよい→給油回数=ピットストップが少なくすむ→だから速い。と、耐久レースで活躍している理由を分析されることが多いが、間違いではないが、今回のレースを見る限りラップタイムが遅いとはもはや言えない。このレースはポルシェGT3からスズキスイフトまで一緒に走っている。しかも200台以上走っているものだから、単独で走ってくるよりはなんらかのクルマと固まりで走ってくることが多い。従って、自ずとそれぞれの速さの違いが観戦していてもよくわかる。120d, 320d, 335d、、、けっして遅くはありません、速いです!コーナーの立ち上がりでバリバリと甲高い音をたてて立ち上がっていくNA(自然吸気)ガソリン車も格好よいが、いくぶん低めの音でグググっとコーナーを立ち上がっていくディーゼル車も格好よい。余談ですが、超個人的感想ですが「音」はレクサスV10の淀みない高音が、美しく素晴らしかったです。
ここで少し速さの基を考えてみたい。クルマが加速していくとき、エンジン回転を上昇させる。レッドゾーンの手前でギアを一段上げる、回転が下がる、そして再び回転上昇し加速を続ける。つまり、「最高出力」だけでクルマは走っているのではなく、あるエンジン回転数の「幅」での出力が重要になる。一般的にディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりも低速域での出力が高いので、「幅」で考えるというか、出力の面積(エンジン回転数の幅×出力)で考えると、ガソリンとディーゼルの出力差は、最高出力の差ほどはないのである。レースの世界でこうなのだから、一般道路での使い方ではもはやディーゼル=スポーツといってもいいのではないだろうか!
で、その結果総合13位でした、320d ! ちなみに最速ラップも9分33秒と十分速いラップを刻んでいた。イカしてますディーゼル!来年は「GDR」で総合優勝狙いですかね!
なお、インプレッサはガス欠によるタイムロスがあったのにも関わらず58位完走、最速ラップは9分59秒。そしてレクサスは121位、最速ラップは9分19秒。それにしてもゴール後のレクサスチームの喜び様は優勝チームさながらだった。どこよりも早くシャンパンファイトを始め、どこよりもおそくまで掛け合っていた。スポンサーの一切ない黒いつなぎのチームスタッフは一見レースプロフェッショナルのように見えるが、よーく見ると、レース素人の技術屋さん。今回のエントリーの目的でもある開発スタッフの教育としては十分すぎる効果を得られた事があのシャンパンファイトを見ると明らかだったのが印象的でした。ニュルの味わい方は自由で多彩です。






