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ディーゼル×ドイツ=北米→日本  長沼 要現地リポート

20080611

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 フランクフルト空港でレンタカーを借りる。事前に予約をしていたが、ディーゼル指定が出来なかったので不安を抱えたままカウンターへ。予約番号を告げるとアウディA4 TDIのキーを渡してくれた。ほっ! 旧型なのが残念だが、新型は3月にカナダで乗ったので比較にちょうど良かったかもしれない。知っている人はもちろんご存知のように欧州では新車販売の半分以上がディーゼルなので、まったく珍しくもないことで、レンタカーのスタッフも特にフツーである。さらに欧州標準なのが、MTだったこと。これも特に珍しくもなく一般的。つまり、今回借りられたのはドイツでフツーのDセグメント乗用車ということ。
 
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メタリックブルーの塗装が新車のように輝いているので、一瞬新型かと見間違う。シートポジション、ハンドル位置を合わせ、ナビをセットして走り出す。向かうはニュルブルクリンク、6月24日17時過ぎ、そう、すでにレースがスタートしてから2時間ほど経過している。急がなきゃ。

 このA4に装備されているナビはとてもシンプル、しかし必要十分で、個人的はこのタイプのナビが日本でも欲しいと強く思う。どのようなものかというと、地図がなく、道路の分岐での行く方向をしてしてくれるだけ。しかし、道路の番号も表示されるし、分岐までの距離もわかりやすいし、AUDIの場合、その案内がメーターパネルのど真ん中に位置するため、とても見やすく、使いやすい。

 さて、そのシンプルイズベストナビの案内とおりにクルマを進める。まずはA3というアウトバーンに入り西に向かう。ニュルブルクリンクというサーキットはベルギーとの国境付近のアイフェルという山岳地帯にある。フランクフルト空港からはたしか130kmくらいとナビが示していた。空港付近はまあまあの混み具合で、速度規制も多く、100km/hプラスαといった速度で流れている。

 ところで、このA4なんか変だ。AUDI本来の安定感がない。空気圧が低い?クルマがおかしい?などなど頭をよぎる。速度をあげるまえに、パーキングエリアに入ってタイアを確認すると、冬タイア。納得。その後気付いたのだが、キーホルダーにもSNOWというパネルがぶら下がっていた。よってこれからの速度無制限区間でも、HR規格のタイアなので、最高速度は210km/hに抑えることにする。

 郊外になるにつれクルマの量も減ってくる。速度規制もない区間も多くなる。右側通行にも身体が慣れてきたので、少しペースをあげる。ギアダウンの必要もなく6速のままアクセルペダルを踏むだけでほんの一瞬のターボラグの後、思い通りの加速が得られる。アウトバーンは相変わらず走りやすい。ペースも早いし、実に快適。エンジン回転も低く抑えられている。

 アウトバーン上を走るクルマも、もちろん半分くらいはディーゼル車だ。見えるレベルの排ガスはないと言えるが、実は、かなりの高速域で全開加速などをすると、一瞬ススが見えるクルマもまだある。ヨーロッパでの排ガス規制は現時点でユーロ4と呼ばれるもので、来年の2009年9月からユーロ5と呼ばれる規制の強化され、現状よりどんどんきれいなクルマが増えることになる。日本よりクルマを長く(年式)使うのでまだユーロ3レベルのクルマもいるはずで、それらが若干空気を汚している。

 といっても日本で数年前くらいまでに経験していた、もくもくとススを掃き出すクルマはほとんどいない。ほとんどというのはこの行程で一台だけ見てしまったから。。。写真ではあまりよく分からないかもしれないが、けっこうススを吐いていて、バンパーのテールパイプ廻りが煤けている。このクルマはあきらかに整備不良だったのだが、そういえばドイツは整備不良的なクルマが少ない点も特徴かもしれない。もっとも整備不良でそれぞれのクルマの最高速度なんて怖くて出せないから自ずと整備もしっかりするのかもしれない。

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 排ガス規制の話をしたので、少しディーゼル車に対する日本の規制とドイツの規制の違いを挙げてみる。細かい数値は関連資料を別途紹介するとして、日本はとにかくNOx規制が厳しいのが特徴で、そのために過去にはPMとよばれるいわゆるスス(とススの基)を緩い規制にしていた。最近ではそのPMへの規制もとても厳しくなってきて、2008年からの北米(Tier2 bin5)とならび、2009年にはほぼ世界一厳しい=クリーンな規制になる。対してヨーロッパは、NOxとPMをバランス良く規制してきた感じで、来年からのユーロ5では、PMは日本とほぼ同等だが、NOxが日本ほど厳しくない、といった特徴の規制となる。

 この事から、欧州車の日本へのディーゼル乗用車導入は、北米対応車を持つかどうかが鍵となると考えられる。マーケットの規模も考えるとメーカーの作戦は、まず北米Tier2Bin5対応技術を確立して今後成長が見込まれる北米でディーゼル乗用車を展開、発売する。そしておそらく同システムを日本の測定モードへ適合する手法をとるのではないだろうか。NOx規制値を見る限り、ユーロ5仕様の排ガス低減システムでは、ポスト新長期規制クリアは難しいだろうし、日本専用仕様をつくるのも販売台数から非効率と考えられるので、Tier2仕様のシステムをベースとするのが必然だろう。

 つまり、北米対応ディーゼル乗用車を持つ、あるいは予定している、AUDI, BMW, M.Benz, VWなどのドイツメーカーは、日本市場へも導入できるポテンシャルを持っていると考えていいだろう。

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